目次
自分でiPadのバッテリー交換をするときの準備
iPadのバッテリー交換を自分で行う前にしておきたい準備について紹介します。
バックアップをとっておく
iPadのバッテリー交換によりデータが消えてしまう可能性があります。交換作業をする前にバックアップは必ず取っておいてください。修理店へ依頼する場合でも同様です。
iCloudへのバックアップなら5GBまで無料でバックアップできます。iTunesなどほかのバックアップ方法もありますが、iCloudは、利用中のiPadだけで完結でき、バックアップのためのほかのデバイスを用意する必要がないのがメリットです。
iCloudのバックアップなら特別な作業も必要なく、変更があれば同期によりクラウドにバックアップされます。以下の手順に従って、事前にiCloudのバックアップをオンにしておくことが同期の条件です。
iCloudを利用することで、写真や動画、アプリの配置やホームのレイアウト、アプリのデータ、メッセージなどのデータを保存できます。
【iCloudの自動バックアップをオンにする手順】
1.設定アプリを開き、トップに表示される[ユーザー名]を選択する
2.「iCloud」を選択する
3.「iCloudバックアップ」より「このiPadをバックアップ」をオンにする
4.iPadを電源につなぐ
5.iPadをWi-Fiに接続する
6.iPadの画面がロックされたことを確認する
7.バックアップの完了
iPadを探す機能をオフにする
Apple製品には「探す」の機能があります。デバイスを紛失したとき、または盗難にあったときに地図アプリ上で見つけられる機能です。
「探す」は、売却、譲渡、下取り、修理のときには必ずオフにします。オンの状態だとアクティベーションロックがかかってしまうためです。バッテリー交換の前に、iPadの所有者自身が「探す」をオフにします。
iPadのバッテリーを放電しておく
バッテリー交換中の安全性を考えて、バッテリーの残量は少なくしておきましょう。Apple公式では、修理の際にはバッテリー残量を30%以下にするよう推奨しています。バッテリー残量が低下した状態にするのは、バッテリー損傷による熱現象リスクを抑えるためです。
iPadにはリチウムイオン電池が使われています。リチウムイオン電池は放電と充電を繰り返す電池です。
リチウムイオン電池は、外部から力が加わり電池が変形すると内部短絡を起こすます。内部短絡は、電池の損傷によってプラス極とマイナス極が直接つながることをいい、電力の集中で発火のリスクがある危険な現象です。
修理点に持ち込む際も、バッテリー残量を減らしておくと、早く作業が開始できるため、手元に戻ってくる時間も早くなります。ただし、バッテリー残量がゼロの状態でもいけません。リチウムイオン電池は自己放電する特徴があり、長期間充電されないと過放電となり、内部の銅箔が溶けて破損しiPad本体も損傷してしまうので、バッテリーが劣化しているなら、注意が必要です。
iPadのバッテリー交換の手順
iPadのバッテリーを自分で交換する手順を紹介します。ただし、当記事において責任は負えませんので、バッテリーを自分で交換する際はくれぐれも自己責任でお願いします。また、道具の取り扱いに注意し、怪我にも気をつけましょう。
1.フロントパネルを取り外す
バッテリーを交換するiPadのスクリーンにヒビが入っているときは安全に留意しましょう。まず、損傷部分が拡大したり、ケガをしたりしないよう、ガラス面にテープを貼って固定します。ガラスが飛散した際にケガをしないよう保護ガラスも装着しましょう。
準備が整ったら、iPadの電源を落としてフロントパネルを取り外す作業に入ります。作業には、ヒートガンもしくはドライヤーとクラフトナイフ、あるいは接着剤を溶かす専用の器具が必要です。
ヒートガンなどで接着剤を溶かしたら、クラフトナイフや開口ピックを差し込み、接着部分をはがしていきます。無理に力を入れると画面が割れるため注意して作業をしましょう。
なお、ディスプレイの破損の原因になるため、クラフトナイフやピックは2mm以上差し込まないようにします。カメラの損傷を防止するため、カメラ部分ではピックなどをスライドさせないよう注意しましょう。
さらに、iPadの下部にはケーブルもあるため慎重に作業をする必要があります。一気に接着部分をはがそうとせず、少しずつ慎重に接着面をはがしていくのが損傷を防止しながらフロントパネルをはがすコツです。
フロントパネルの接着部分をはがしてパネルを開いたら、ネジを取り外して本体から液晶ディスプレイを取り外します。ケーブルでつながっているため、コネクタの取り外しも慎重に行いましょう。コネクタの位置がずれるだけでもiPadの破損につながってしまいます。
2.アンテナやスピーカーなどを取り出す
フロントパネルを取り外しても、バッテリー周辺のパーツを取り外さないとバッテリーの交換ができません。パーツの取り外しには、テープをはがす作業、小さなネジを外す作業のように、精密ドライバーなどを使った細かい作業を要します。
接着剤で固定されている部分は接着剤はがしを利用するなどして、アンテナやスピーカーなどのパーツを外していきましょう。
3.バッテリーを取り外す
周辺パーツを取り外したら、バッテリーが曲がらないよう接着剤をはがします。カード類など隙間にはさめるものがあると便利です。
バッテリーの接着部分をはがしたらiPadの背面からバッテリーを取り外します。取り外しの際には、バッテリーに穴を開けるなど損傷させないようにしましょう。バッテリーに傷が入ると電解液が漏れ出て、ガスが発生しバッテリーが膨らみ、発火の恐れがあります。
また、取り出したバッテリーの再利用は危険なため、適切に処分しましょう。バッテリーは一般ごみやリサイクルゴミとして出せません。販売店に引き取ってもらうなど処理方法を確認した上での処分が必要です。
4.新しいバッテリーを取り付ける
自分でバッテリーを交換できるように、互換バッテリーなどが販売されています。あらかじめ交換前に新しいバッテリーを用意しておきましょう。旧バッテリーを取り外した場所に新しいバッテリーを取り付けます。
iPadの本体背面に、アルファベットのAから始まるモデル番号が記載されているので、確認してからバッテリーを購入しましょう。
5.iPadを組み立て直す
新しいバッテリーを取り付けたら、バッテリー交換のために取り外した順とは逆にパーツを組み立てていきます。iPadは、ネジではなく接着剤で固定している部分が多いです。組み立てるときは両面テープなどを使わずに専用の接着剤を使用しましょう。
iPadは適切に組み立てられていないと不具合が生じます。組み立てが終わったら、充電時や起動時に問題がないか確認してから作業を終了しましょう。
iPadのバッテリー交換を依頼すると料金はどのくらいかかる?
iPadのバッテリー交換は自分で行わずに業者に依頼できます。Apple公式でも対応しており、バッテリー交換は主な修理メニューのひとつです。AppleCare+に加入していれば無料でバッテリーを交換してもらえます。
無償対象外のときはモデルによって料金が異なり、Apple公式だと第5世代のバッテリー交換は15,000円、第10世代のWi-Fiモデルは18,800円です。最終的な料金は保証内容確認後に確定します。(※2023年12月20時点の料金情報)
古いモデルはサポート対象外であるため注意しましょう。2023年12月20日時点で公式サイトでの見積もりを確認できるiPadは第5世代以降です。
また、Apple公式以外の専門業者にバッテリー交換を依頼する方法もあります。料金設定は業者によって異なりますので事前に確認しておきましょう。専門業者であればApple公式サポート対象外の修理にも対応していることがあります。
iPadバッテリーの交換は即日でもできる?
iPadのバッテリー交換は、新品のバッテリーや交換キットなどがあれば自分でもできますがおすすめはしません。慣れない作業で時間がかかることと、細かい作業が多く慎重を要すためです。
また、初めて作業する場合は特に、画面の破損のほか、フロントパネルが接着しない、充電されないなどの不具合が生じる可能性があります。iPadのバッテリー交換なら即日対応している業者もあるため、業者に依頼するのがおすすめです。
iPadのバッテリー交換は、多様な修理に対応している修理の専門店スマートクールのお近くの店舗にご相談ください。
状況によっては即日対応できないこともあるため、お急ぎの場合は事前のご連絡がおすすめです。
まとめ
iPadのバッテリー交換は自分でもできますが、iPhoneの修理店でもiPadのバッテリー交換は断る修理店もあるほど、難しい作業です。例えば、一度でもiPadを落下させていたりすると、歪みが生じ、ガラスが浮いてしまう、タッチ不良など不具合が生じる可能性があるためおすすめしません。
バッテリー交換に慣れているプロに依頼することがおすすめです。即日対応可能なケースもありますので、専門の修理店のご利用が早くて便利です。