iPadが発熱する6つの原因
ひと口にiPadが発熱するといっても、その原因はさまざまです。
・バッテリーの劣化
・外気温・室温の上昇
・充電による負荷
・処理の重いアプリやゲーム
・ストレージの容量不足
・基板の不具合
主に上記6つの原因が考えられるので、それぞれ詳しく解説します。
原因①バッテリーの劣化
iPadのリチウムイオンバッテリーが劣化すると、バッテリー自体が熱を持ちやすくなります。
バッテリーは「長い期間使用している」「1日の使用頻度が高い」と劣化しやすく、iPadに使われるリチウムイオンバッテリーの寿命は一般的に2年程度です。
劣化によりバッテリーの減りが早くなると充電の頻度が増え、充電・放電の繰り替えしで大きな負荷がかかり、発熱しやすくなります。
特に以下のいずれかに当てはまる場合、バッテリーの劣化が原因かもしれません。
・iPadを2年以上使用している
・使用・充電するだけですぐにiPadが熱くなる
・中古のiPadを使用している
iPadのバッテリーの劣化具合を確認する方法は、設定からバッテリーをタップしてバッテリーの状態を表示します。パフォーマンスが80%を切ってきたら、交換の目安です。
関連記事:iPadのバッテリーを自分で交換するときの手順は?
原因②外気温・室温の上昇
外気温・室温が35℃を超える環境で、iPadを使用している場合も熱くなりがちです。
気温が高いとiPadはうまく放熱できないため、以下のような環境での使用・放置は避けましょう。
・真夏の炎天下
・停車中の車内
・直射日光の当たる窓際
・お風呂 など
高温多湿の環境では、本体内部の部品に負担がかかりやすく、バッテリーの劣化につながるケースも考えられます。
最悪の場合はバッテリーが膨張し、爆発・火災につながる危険性もあります。
また保護ケースやカバーなど、放熱を妨げるアクセサリーも要注意です。特にシリコンや革のような、熱伝導率の低い素材や厚みのあるアクセサリーの使用は避けましょう。
原因③充電による発熱
充電時にバッテリーが発熱するのは電流によるものです。充電時、iPadが特に熱くなる原因には以下の2点があげられます。
・充電している時間が長い
・急速充電を行っている
なかなか満充電にならず、長時間充電しているのであれば充電ケーブルが断線している可能性があります。被膜の破れを見つけたときや、焦げ臭い匂いがしたときにはケーブルを交換しましょう。
通常の充電は5Vで行われますが、急速充電は9Vから20Vで行われます。通常よりも高い電圧のため、発熱量が多くなり熱くなります。心配なときは、ケースを外す、放熱できるタイプのケースにすると良いでしょう。
原因④処理の重いアプリやゲーム
処理の重いアプリを利用したりゲームをプレイしたりするのも、iPadの発熱の原因のひとつです。
例えばオープンワールドのオンラインアクションRPGや3Dゲーム、動画編集アプリなどは処理が重く、使用し続けるとCPUが発熱しやすくなります。
ほかにも、以下のような使用方法もiPadに重い処理を要求します。
・高画質動画のストリーミング再生
・GPSの使用
・複数アプリの同時使用
・バックグラウンドでアプリが起動 など
原因⑤ストレージの容量不足
ストレージ容量が不足してくると、CPUに高負荷がかかりやすくなり発熱の原因になります。
データの保存領域が少なくなってくると、発熱だけでなく、動作が遅くなったり固まってしまったりなど、さまざまな弊害が生じます。
ストレージの空き容量が5GB以下になったら、不要なデータ・アプリの削除やクラウドへのアップロードなど対策が必要です。
原因⑥基板の不具合
iPad内部の基板に不具合が生じており、発熱している場合も考えられます。
例えば「過去に本体を水没させた」「落下させた」ことがあると、基板に不具合が生じて発熱しやすくなっているかもしれません。
たとえアクシデントがなくても、本体内部の基板が経年劣化して発熱している可能性もあります。
基板の不具合を放っておくと、ショートして起動不可やデータ消失などが起こる可能性もあるので、一刻も早い修理が必要です。
iPadが発熱していても使用して良いの?
iPadが異常に発熱しているまま使い続けるのは危険です。バッテリーの劣化やホームボタンの故障、データ消滅などの症状につながる可能性があります。
ただし、iPadを環境温度が0℃〜35℃の通常の範囲内で使用しているのなら、熱くなっていても、故障する危険性は低いといえます。
下記のいずれかに当てはまり、温度に関する警告が表示されない限りは安心です。
・初めてiPadの設定を行う
・iPadをワイヤレス充電している
・高画質の動画をストリーミング視聴している
・バックアップしたデータを復元している
・データ容量の大きいアプリ・ゲームを起動している
作業・動作が完了すれば自然と温度は下がるので、常温になるまで放置してから使用すれば問題ありません。しかし、頻繁に充電が止まる、温度の警告画面が表示される、強制的にスリープ状態になるときは、故障を疑いましょう。
iPadの発熱を抑える7つの対策方法
iPadの発熱原因がわかったところで、発熱を抑える7つの対策方法を紹介します。
発熱が気になる場合は、いずれかの対策を試してみてください。
不要なアプリを終了させる
ゲームやアプリ使用時に発熱する場合は、不要なアプリを終了させると改善されます。
特に容量の大きなアプリは、こまめに終了させる習慣を付けましょう。
なかにはバックグラウンドでバッテリーを消費し、起動しているアプリもあるので、不要であればこまめに終了・アンインストールしておくのも大切です。
設定からバッテリーの使用状況が確認できるので、参考にし、アプリのバックグラウンド更新を、下記手順でオフにするのもおすすめです。一括でオフ設定も可能で、アプリを選んで設定の変更もできます。
1.「設定」から「一般」を開く
2.「Appのバックグラウンド更新」を選択する
3.アプリのバックグラウンド更新をオフにする
充電を止める
充電しながらiPadを使用している場合は、充電を止めて冷えるまで様子をみるのも手です。
iPadのバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、充電中に熱くなりやすいのが特徴です。充電しながらのアプリの使用は、発熱しやすくなるほか、バッテリーの劣化にもつながるため控えましょう。
特に非純正の充電器を使用している方は、過度に発熱しやすくなるので、Apple純正品もしくは、Appleが定めた品質をクリアした「Made For iPhone(通称:MFi)」の製品を使用すると安心です。
画面を暗くする
画面を暗くして、消費電力を抑えるのも発熱対策になります。
液晶画面は明るいほど消費電力が大きくなり、iPadが発熱しやすくなります。
明るさを最大に設定している方は、設定画面から画面の明るさを調整すると、発熱が軽減されるでしょう。
基本は暗めの設定にしておき、必要に応じて調整しながら使用するのがおすすめです。
ストレージ容量を空ける
iPadのストレージ容量が不足している場合、データの削除や保存容量の拡張などが有効な対策です。
不要な写真・動画データの削除以外に、下記のような方法もあります。
対策 | やり方 |
使用していないアプリのアンインストール | 1.設定→一般→iPadストレージとタップ
2.「非使用のAppを取り除く」を有効にする |
Safari(ブラウザ)のキャッシュを削除する | 1.設定→Safari→履歴に進む
2.Webサイトデータを消去 |
iCloudを利用する | 1.設定→自分のアイコン→iCloud→写真と進む
2.iCloud写真をオンにする 3.「iPadのストレージを最適化」にチェックを入れる ※無料で利用できるのは5GBまで |
外部ストレージへ保存する | 下記のような物理デバイスに、データを移す
・USBメモリ ・SDカード ・SSD など |
写真や動画など保存データがストレージ容量を圧迫しているようであれば、クラウドへのアップや外部ストレージへの保存は有効な対策です。
iPad本体を冷やす
熱くなっているiPad本体を冷やすのも有効な対策です。ただし保冷剤や冷蔵庫など、急激に冷やすのはNGです。
急激に温度変化させるとiPad内部で結露が発生し、水没したのと同様のダメージを負ってしまいます。
また結露による水分で内部パーツが腐食したり、表面に生じた結露が充電コネクタから入ったりするリスクもあります。
iPadが熱いときは急冷せず、涼しい場所でゆっくり冷ますのが鉄則となります。扇風機やハンディファンなど、風を当てるのも有効です。もしくはiPad用の冷却グッズを使用するのもおすすめです。
バッテリーを修理・交換する
どの対処法を試しても手に持てないほど発熱する場合は、バッテリーの不具合や劣化が原因かもしれません。
しかしiPadのバッテリー交換は素人には難しく、部品を破損する恐れもあるため、専門の修理店に依頼するのがおすすめです。
全国の大型モール110店以上に出店している「スマートクール」なら、ショッピングのついでに修理・交換の相談ができるため気軽にご利用いただけます。
まとめ
iPadが発熱する原因は多岐にわたり、使用中の負荷によるものもあれば、誤った使用方法や不具合・故障の影響による場合も考えられます。
原因によって対処法が異なるため、まずは発熱の原因を突き止めましょう。原因が分からないときは、街の修理店への早期相談が大切です。